なんとなくわらって なんとなくおこって
いたひびがいとしくて すごくせつなかったよ
おやにないしょで えをとびで さいしょの
ふたりぐらし
おかねもなくて ふとんもなくて はだを
よせあわせた
ねるのさえももったいなく あさがくるまで
かたりあかしたね
さびしいよるも いてつくさむさも
たがいのぬくもりだきしめ のりこえ
いつでもよこにはやさしいきみがいて
かなしいできごとも そのえがおできえてた
はじめてむかえた ふたりになってのぼくの
たんじょうびは
ともにいそがしく いっしょにすごすことも
できなかったね
かえってへやにおいてあったここなさいふ
おかねもないくせない
なみだがぽろりとながれてきたよ
ありがとう」いいたくて きみのかえりをまった
カップにあふれるくらいのやさしさ
あたたかさ ぼくのむねぎゅっと
しめつけてくんだ
アパートのろかをあるく あしおとがきこえる
たびに
みみをすませたよ
げんきのとびらのかぎをあけるおときこえて
ぼくは
むかえはしってく
しあわせだけをのこして ここをはなれる
ときがやってきた
なんとなくわらって なんとなくおこって
いたひびがいとしくて すごくせつなくて
えいえんのおもいを かたちにしないまま
すぎさってく じかんがとまればいいとおもった
へやをでるふたり さいごのひ しあわせが
しみついたかべに
ふたりのなまえを
それぞれいろんなおもい いっぽんのぺんさきにたくし
そっとかいたんだ