なつかぜがのっくするまどをあけてみると
どこからかまよいこんだとりのこえ
よみかけのほんをおき
"どこからきたんだい\"とわらう
めかくししたままのごごさんじです
せかいはあんがいしんぷるで
ふくざつにかいきしたわたしなんて
だれにりかいもされないまま
まちはずれ、もりのなか、ひとめにつかないこのいえを
おとずれるひとなどいないわけで
めをあわせないで
かたまったこころ、ひとりぼっちであきらめて
めにうつったものにあんどするひびは
ものがたりのなかでしかしらないせかいにすこしあこがれる
ことくらいゆるしてくれますか
たんたんとながれだした
うまれてしまったりふじんでも
あんがいじんせいなんて。わたしのなかじゃ
ねえねえ、とっぴなみらいを
そうぞうしてふくらむせかいはきょうかあしたでも
のっくしてくれないですか
なんてもうそうなんかして
そとをながめていると
とつぜんにきこえてきたのはしゃべりごえ
のみかけのはーぶてぃを
つくえちゅうにまきちらし
"どうしよう...\"
とどあのむこうをみつめました
"めをあわせるといしになってしまう\"
それはりょうしんにきいたこと
わたしのめもそうなっているようで
ものがたりのなかなんかじゃいつも
こわがられるやくばかりで
そんなことしってるわけで
とんとん、とひびきだした
のっくのおとははじめてで
きんちょうなんてもんじゃたりないくらいで
ねえねえ、とっぴなせかいは
そうぞうしてるよりも
じつにかんたんにどあを
あけてしまうものでした
めをふさぎうずくまるすがたにそのひとはおどろいて
"めをみるといしになってしまう\"というと
ただわらった
"ぼくだっていしになってしまうとおびえてくらしてた
でもせかいはさ、あんがいおびえなくていいんだよ?\"
たんたん、となりひびいた
こころのおくにあふれてた
そうぞうはせかいにすこしなりだして
ねえねえ、とっぴなみらいを
おしえてくれたあなたが
またまよったときは
ここでまっているから
なつかぜがきょうもまたあなたがくれたふくの
ふうどをすこしだけゆらしてみせた