あのこはいつもひとりぼっちで、よこぎるでんしゃを
ながめている
ちいさなからだににあいもしない かげをせなかにしょって
しちじはんちゃくのでんしゃがとおると、あのこはかけあしで
ふみきりまで
ふみきりのむこうではあのひとが、つかれたかおで
わらっている
あのこはそのひのできごとを、えがおでいくつもはなし
はじめる
"せんせいはとてもやさしいよ。\" \"きょうはあのことあこんだ
よ。\"
あのひとは\"よかったね。\"と、あたまをなでてくれた
あのこはひとりぼっちでよこぎるでんしゃをながめてる
もうかえることのないあのひとをひたすらまちつづけ
しゃだんきのむこうあのひとのえがおわすれられず
そこからいっぽいもうごきたくなかった
もうわらえない、もうわらえない
なにもきこえない。なにもほしくない
もうわらえない、もうあのひとはかえってこない
みんなあのこにてをさしのべる
どうしょうというとてもつめたいて
なにをいわれても、なにをあたえられても
かれのへやのかぎはとじたまま