ろぼうのつきにほえる
かげひとつまちをゆく
みちることもしらないで
よるはすっとふかくまで
きがつけばひとだまり
このかおをながめている
おれのなにがわかるかと
けだもののふりをする
いっさいがっさいほうりだしたいの
いきているっておしえてほしいの
つきにほえるようにうたえば ああ、あざやかに
アイスピックでちきゅうをくだいて このあくいでみたしてみたいの
つきにほえるようにうたえば ああ、わがままに
おまえのおもうがままに
あおじろいろぼうのつき
どこだろう、とひとはいう
だれにもみえていないのか
このみにくいけもの
ゆびをさしたほうへむく
かおのないままうごく
なにかがおれをみている
はとばのあのかげで
いっさいがっさいしんじていないの
だれもおまえにきたいしていないの
つきにほえるようにうたえば ああ、あざやかに
かたいぺんをこげつにひたして なみにせんをえがいてみたいの
つきにほえるようにうたえば ああ、あでやかに
じかんのおもむくままに
みなおれをかわいそうなびょうにんと、そうおもている
いっさいがっさいほうりだしたいの
ま、まだせかいをおかしたりないの
つきにほえるようにうたえ ああ、あざやかに
アイスピックでつかいをくだいて ぬるいスープでみたしてほしいの
つきにほえるようにうたえよ ああ、のどぶえの
おくにすまうけだものよ
このせかいはおまえのおもうがままに
ろぼうのつきにほえる